「AIは人間の仕事を奪う」と言われることもあります。
でも、福祉の現場ではむしろ真逆。
AIは、人間の“やさしさ”や“気づき”を支えるパートナーとして静かに広がっています。
今回は、海外で進むAI活用の福祉事例と、日本でもすぐに取り入れられそうなヒントをお届けします。

発達支援の現場でAIが活躍しているって本当?
はい、本当です。特に欧米では自閉症スペクトラム(ASD)やADHDなどの支援にAIを活用する動きが進んでいます。
🔹 具体例①:AIが表情や感情の認識をサポート
- 米・MITメディアラボのプロジェクトでは、
子どもの顔の表情や声のトーンをAIが解析し、「いま怒ってる?」「嬉しい?」など感情を推定 → コミュニケーション練習に活用。
🔹 具体例②:個別最適な教材・タスクをAIが選ぶ
- アメリカやカナダの特別支援学校では、
AIが生徒の反応をリアルタイムで観察し、集中力が続きやすい教材を自動で提案 → 子どもが“楽しく学べる”仕組みに。
🔹 具体例③:仮想の「会話AIロボット」と練習
- スウェーデンの支援施設では、
人と話すのが苦手な子どもがAIキャラクターと安心して会話練習できるように設計。

高齢者ケアの分野ではどう使われてるの?
超高齢社会に突入している日本にとっても、大注目の分野です。
🔹 具体例①:認知症予防に会話AIを活用
- フィンランドでは、高齢者と会話するAIチャットボットが導入されており、
日々の対話によって記憶力・判断力の維持に効果があると報告。
🔹 具体例②:見守りロボット+AIで“安心”を届ける
- ドイツの高齢者施設では、
部屋の環境データ+AI分析で「転倒リスク」「体調の異常」などを検知 → スタッフがすぐ駆けつけられる体制に。
🔹 具体例③:孤独感の軽減にもAIが貢献
- アメリカでは、話し相手になってくれるAI搭載ぬいぐるみが導入され、
「家族と話せない日でも心がホッとする」と好評。

日本でも応用できそうなことは?
すでに始まっている例もあります👇
- ChatGPTを使った発達支援施設の職員の教材作成支援
- 介護施設でのAI音声記録システム(スタッフの負担軽減&記録ミス防止)
- 家庭向けに販売されている見守りAIカメラや会話型ペットロボット
小規模でも導入ハードルが低いものも多く、「まずはやってみる」動きが加速中です。

課題や懸念もあるけど、未来は明るい
⚠️ プライバシーの取り扱い
→ 顔・声・体のデータを扱うので「どこまで使ってよいか」のルール整備が必須
⚠️ 倫理的な課題
→ 子どもの判断力が未熟な場合、「AIに何でも任せる」のは危険もある
✅ それでも期待されている理由
→ 人手不足の現場で、支援の“質”を保つための大きな助けになる

まとめ:「AIは人のやさしさを補う“第3の手”になる」
AIは人間の代わりではありません。
でも、やさしさや気づきの“手が届きにくいところ”にそっと寄り添う存在です。
支援を必要とする人も、支える人も、AIの力を借りることで、より笑顔が増えていく。
そんな未来はもう、すぐそこに来ています。

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